2009年05月24日

カラーネガフィルム現像

モノクロ(黒白)フィルムの現像は、ネットで情報を探したり専門書籍を購入したりすれば簡単にできるけど、カラーネガフィルムになると途端に情報がない。

「ナニワカラーキット N」などのホビー用はあるけれども、ちょっと本気でブローニーフィルムとかやろうとすると、コストパフォーマンスが悪い。

どうしたものかと思っていたが、情報がないなら自分で調べよう!ということで「今日からできる!カラーネガフィルム現像方法」としてまとめてみたので、「カラーネガフィルム」を現像したい、とか、「クロスプロセス」やってみたい、という方に参考になればありがたいです。

この画像は以下の方法で現像して、プリントしたものです。
camera_01.jpg

「今日からできる!カラーネガフィルム現像方法」

1.必要な薬品の説明
-カラー発色現像液(モノクロで言う現像液)
-漂白液(モノクロでは使用しない液)
-定着液(モノクロの定着液と同じ)

2.薬品の購入方法
-オリエンタルダイレクトで買うのが一番確実
-コダック互換のをとりあえず揃えましょう
-オリエンタルカラー BAN-1R (C-41 RA) これがカラー発色現像液
-オリエンタルカラー BAN-2R (C-41 RA) これが漂白液
-定着液はモノクロと同じですが、イルフォード(ILFORD)のRAPID FIXERがいいでしょう

3.薬液の作り方
■カラー発色現像液
A/B/Cの各液を、必ずA→B→Cの順番で混ぜます。順番間違えると有害なガスが発生してとても危険。
それぞれの分量は以下の通り。
発色現像の容量
-1リットルの場合
水 880cc  A 80cc  B 20cc  C 20cc
これに「スターター」と呼ばれる液体を入れます。
中身はわかりませんが、ヨドバシとかで売ってます。
スターター 25cc

発色現像液は5本~10本分のフィルムを現像することができますが、本数が増えるほどに現像時間を長くしないといけなくなり、またその延長時間分が計算できないので、使い捨てで使用が良いでしょう。

■漂白液
原液のまま使用します。かなりの期間再利用可能。

■定着液
原液を水で薄めます。原液1:水9の割合でもOK。フィルム10本処理ごとに交換が目安。

4.現像の仕方
■手順は次の通り
発色現像 → 水洗 → 漂白 → 水洗 → 定着 → 水洗

■薬品の準備
発色現像と定着液を作る際に、水の温度を調整して、出来上がった液体がなるべく32度くらいになるようにします。液体を使用するときに30度になるようなイメージです。
また大き目のナベや印画紙現像用のバットなどに、やはり32度くらいのお湯を入れておくと、温度管理がかなり安心してできます。
何本も同時に現像する場合は、だんだん温度が下がってきてしまうので、バットに張ったぬるま湯の温度をこまめに調整した方がいいでしょう。熱帯魚用のサーモヒーターが最高に便利です。安いし。2500円くらい。

■発色現像
30度(プラスマイナス1度以内)の発色現像液をタンクに入れます。現像時間は合計で5分30秒。
最初の30秒は連続して攪拌します。
その後、30秒ごとに5秒ずつ攪拌。これを5分半続けます。
なお温度を35度にすると3分15秒でも大丈夫ですが、時間が短いと現像ムラができやすくなるので、ブローニーフィルムの場合は30度の方を強く勧めます。

■水洗
発色現像液を使いまわす漂白液に持ち込みたくないので、タンクに1度水を入れて捨てます。温度はあんまり気にしてません。本当は30度がいいんでしょう。

■漂白
タンクに漂白液を入れたら、2分間連続して攪拌し続けます。やりすぎはないので、がんがん攪拌しましょう。不足すると発色が悪くなるので、2分以下にはしないように。

■水洗
先ほどと同じように、定着液に漂白液を持ち込みたくないという理由で水洗。

■定着
モノクロの定着と同じく、最初の30秒は連続して攪拌。その後1分おきに10秒攪拌でいいんですが、めんどくさいので、最初の30秒連続して攪拌、その後は2分くらいおきに適当に攪拌して、合計で6分ぐらい定着させます。なんとなく適当。

■水洗
モノクロと違い、最後の水洗は念入りにやったほうが良さそうです。短いと乾かしている間にピンク色の水がどんどん垂れてきます。きっとフィルムベースの色素ですが、これが抜け切らないとフィルムそのものがなんか濁った感じに見えるので、10分近く流水で水洗しています。でも水道水だけど。

以上で終わり。あとは乾かすだけ。
水洗直後はフィルムベース(オレンジのベースの部分)が濁ってるけど、かわくと透明できれいなオレンジになるから気にしないで大丈夫。

と、書くと大変そうだけど、モノクロのフィルム現像やったことがある人なら、全く問題なくできます。
なお、薬液に関しては産廃業者などで個人向けに収集しているところがあるので、いったんストックしておいて、一定量(ポリタンクいっぱい)になったら回収してもらうのがいいでしょう。

なお、この方法でポジフィルムを現像すると、流行りの「クロスプロセス」のできあがり。クロスプロセスを多用する人にもお勧めです。

参考になれば幸いです。

posted by おれんじまん at : 20:04

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